平成16年 6月県議会代表質問と答弁 要旨(7月 14日) of みんなで創る藤沢の会 鈴木つねおホームページ

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平成16年 6月県議会代表質問と答弁
要旨(7月14日)


マニフェストについて
1.政策決定プロセスの変化
2.行政改革について
3.政策決定プロセスについて
4.地域経済の活性化について
5.知事の打ち出す施策について
6.インフラ整備等の具体的成果について
7.教育行政の前期・後期実施計画について
8.入学者選抜制度について
9.失われた選抜の信頼感について
10.今後の教育委員会について

鈴木恒夫議員(自民党)代表質問  「知事の政治姿勢について」
「マニフェストについて」

(鈴木恒夫)
 知事は、マニフェストをもとに総合計画を策定した。また、総合計画はマニフェストを昇華させたものとも言われている。
 マニフェストは言うまでもなく、知事候補者たる松沢知事個人が選挙にあたって、県民と政策上の約束をしたものであり、その結果を県民に説明する責務があることは当然である。
 知事という公職にあるものは、私的関心事としてではなくすべて公的な、そして公平な県民に納得ができる諮問機関を設置することが当然の責務として課せられていると考えるが、知事の見解を伺いたい。

(知事答弁)
 まず、マニフェストの評価に関連して、「知事という公職にあるものは、公的に、県民が納得できる諮問機関を設置することが責務ではないか」とのお尋ねがありました。
 神奈川県には、地方自治法第138条の4第3項の規定により、法律又は条例に基づき設置される附属機関や、要綱等に基づいて設置される任意の委員会、協議会、懇話会などが数多くあり、これらを一般的に、「諮問機関」と総称しているところでございます。
 いずれの機関も、県民の幅広い意見や有識者等の専門的知識を県政に反映し、また、行政運営の公正の確保と透明性の向上等を図るなど、県行政に必要なものとして設置されております。
 そのため、この運営費は、当然、県の予算に計上し、公費で賄われるものでございます。
 議員のご指摘は、「松沢マニフェスト進捗評価委員会」が私的なものであり、知事が設置するのにふさわしくない形とのお考えのことと思います。
 しかし、マニフェストの進捗状況の点検・評価は、政治家としての知事」が県民に対する約束と責任を果たす一環で行うべきものであり、「行政の長としての知事」ではありませんので、県としての公的な位置付けは行っておらず、私的機関でなければならないと、私は考えております。
 そのために、県の行政組織の外に、独立の委員会として設置し、当然のことながら、運営費も公費を使わない形で実施したものでございます。

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1.政策決定フ°ロセスの変化

(鈴木恒夫)
 松沢知事は、知事の私的諮問機関として「松沢マニフェスト評価委員会」を設置し、点検を進めるとともに自己評価をし、過日、その結果を公表した。
 一方、この度、策定した総合計画も、その進行管理を行い、結果を県民に公表することとしている。こうした取組みは県政運営上あたかも2つの目標が存在するようにとられ、県民の混同を招くことが危惧される。
 総合計画に位置づけた施策・事業は県が行政として、実施しているものであり、その進捗を知事の私的諮問委員会が評価し、全体としてマニフェストの進度とすることは、県行政の進捗を個人の成果とすることになり、疑問がある。
 このように知事が総合計画の進行管理に先行して評価結果を公表することは、計画の進行管理を行政として実施するにあたり、客観的評価が行いにくくなるのではないか、あるいは知事個人の評価を後追いしたのではないかとの疑義を生む恐れがある。県民が信頼できる進行管理とするためにマニフェストの評価と総合計画の評価をいかに進めていくつもりなのか。また、県民の疑念を生まないと考えた理由を明らかにすべきであるが、知事の見解を伺いたい。
 さらに、知事が設置した私的諮問機関による自らの実績の評価を、公職の立場でありながら、これを自画自賛するということは、我々にはとても理解しがたいことと考えるが、知事はどのように考えているのか、併せて伺いたい。

(知事答弁)
○ 次に、マニフェストの評価と総合計画の評価をいかに進めるか、また「マニフェスト進捗評価委員会」の設置が県民の疑念を生まないと考えた理由についてのお尋ねがございました。
○ 昨年度、私は、県民、市町村、県議会の皆様方とご議論をさせていただきながら、マニフェストの内容を行政として責任を持って実施するよう、「神奈川力構想・プロジェクト51」をはじめ「行政システム改革の中期方針」や、「地域主権実現のための中期方針」を策定し、これらを県政運営の基本としていくことといたしました。
○ 従いまして、県行政としては、これら総合計画等に位置づけた施策・事業の着実な実行に取り組み、各々の目標の達成状況等について、毎年、点検するなど、きちんとした進行管理を行い、県民の評価をいただくことが大切と考えております。
○ 同時に、マニフェストは、選挙を通じた県民の皆様との約束でございますので、私は、その実現に努めるとともに、進捗状況につきまして、私自身がしっかりと説明責任を果たさねばならないとも考えているところでございます。(資料1)
○ そのためには、第三者の目で客観的、専門的な評価をいただく必要があると考え、「マニフェスト進捗評価委員会」を設置し、検討をお願いしたものでございます。こうした私の取組みにつきましては、県民の皆様にもご理解をいただいているものと考えております。
○ 次に、「マニフェスト進捗評価委員会」の評価を自画自賛したのは理解しがたいとのお話をいただきまた。
○ 評価委員会では、評価の基準を作成し、それに沿ってご議論をいただいており、その結果、「目標達成の状況」については、初年度としては「概ね順調」だが、注意すべき政策も少なくないとの厳しいご指摘もいただいたところでございます。
○ また、私自身の自己評価も行っておりますが、私としては、総合計画とマニフェストとの差異も含め、実施内容に即して誠実に評価を行ったつもりでございますので、ご理解をいただきたいと思っております。

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2.行政改革について

(鈴木恒夫)
 知事は、政策形成するために、有識者によるさまざまな会議体を主宰し、その研究成果を、丸ごと知事の政策として発表されることが多々ある。
 政策決定プロセスは本来、トップダウンとボトムアップが相まって初めて有効に機能するといわれている。学識者による結論は、県の政策形成プロセスで言えば、素材の一部として扱うべきものであり、松沢知事のようにそのままいきなり政策化することは「政策の熟成度」「コンセンサス不足」などの課題が残り膨大なエネルギーのロスが生じる結果になる。
 必要なことは、委員会等の結論を知事の補助機関である県職員による十分な検討を重ねることや議会の議論を尊重することである。
 知事は、この度、部長会議を「政策会議」と「課題別部長会議」に改変しました。「政策会議」は部局横断的な政策の大枠を論議し、県としての最高意思決定に向けた調整を行い、「課題別部長会議」は神奈川の持つ多彩な潜在力を呼び起こすため部局の枠を超えて政策論議を行うと聞いている。しかし、肝要なことは知事自身が松下政経塾塾訓にもある「素直な心で衆知を集める」ことを実践できるかである。
 そこで、知事の政策決定プロセスがこれにより、今後どのように変化していくのか、伺いたい。

(知事答弁)
○ 次に、私の政策決定プロセスについてのお尋ねがございました。
○ 神奈川県の政策の基本方向を定める総合計画の策定にあたりましては、その過程において、できる限り県民、市町村、議会の皆様からのご意見を伺うとともに、全庁をあげて部局長以下、職員と議論を重ねてまいりました。
○ また、その具体化の取組みである予算編成にあたっても、ボトムアツプを基本に施策・事業に係る議論を積み重ねてきたところでございます。
○ さらに、お話しにもございましたが、この6月から部長会議を「政策会議」に改め、原則月2回開催することで、政策形成の合意プロセスを、より明確化するための工夫を したところでございます。
○ しかし、一方、今日のように時代の変化が大変早<、また激しい状況にあっては、私自身が時機を逸することなく、政策判断を行うことも必要な場合が多々あると考えております。
○ 状況の変化や問題の大きな流れを踏まえ、知事として為すべき判断については、責任を果たす考えでおりますが、その経緯や内容等については、職員はもとより、議会の皆様にもきちんとご説明し、ご理解を得られるように努めていく考えでございます。

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3.政策決定フ°ロセスについて

(鈴木恒夫)
 まず、政策決定フ°ロセスの件でございますけれども、これは政策会議が出来てから多くの変化をしているのではないかと私は思います。この一年間、知事の政策プロセスを見ていると、まず、有識者を交えて目新しいことや聞こえのいいことを記者会見等でいきなり発表すると、それに基づいて、県の多くの幹部の方、あるいは議会が騒然として、その中から政策を実現していった。しかしそれには、多くの時間を浪費してしまった。知事はスピード感ある行政といつも言っていますけれども、結果的には政策発表までがスピード感があって、実現と言うことになるとかえってスローな行政」になってしまっったということも言えるのではないか。まさしく、去年までのやり方はホワイトハウス型だと私は思っております。政策会議が出来てからは、どちらかというと内閣型、内閣と知事も記者会見で言っておりますけれども、内閣型になって18人の幹部の方とともに政策をつくって、知事がトップとなってつくっていこうというやり方に変わったわけですから、非常に大きな変化があったと私は思う。そこで、この変化を知事はどういう去年の反省をもとに、そして、これからはどういうメリットが出る、あるいはどういう対話を、知事は対話を重視すると政策会議で言っておられますが、その対話とはなにか。そういう意志決定の今までと今回変わった変化の状況について、もう少し詳しく知事のお気持ちをお聞かせいただきたいと思います。

(知事答弁)
 民主政治がうまく機能するには、リーダーシップの発揮と民意の吸収、これが2つのポイントで、このバランスが非常に重要だと私はいつも考えております。リーダーシップの方が強くなりすぎると独裁政治になるし、民意の吸収ばかりやっていると衆愚政治になってしまう。県政運営にあたっても常に私はそこを心がけて、様々なしくみをつくっていきたいというふうに考えておりました。今回の政策会議に部局長会議を組織替えして、内容を変えたのは、むしろ今までの部局長会議がすこし形骸化してきてしまった。つまり、部局長の報告事項だけで、きちっとした政策議論を部局長さんたちと一緒に横断的にやるという場になっていなかった。私はそれを知事になって県庁に入ってきてそれを感じましたので、少し名前を変えて中身もきっちリ議論する、2週間に1回、2時間<らい時間をかけて、今までそうだったから、私が入ってきて変えようとして変えたわけです。2時間くらい2週間に1回、しっかり政策議論をする場にしていこうと、こういう私の発案で改革をしたわけであります。ですから、そういう意味で、今までは、知事と関係の部局長さんで大まかな政策を決めていくということだった。それを各部長さんたちに広げて、自分の管轄ではないけれども、県の重要政策についてはきちっと、国でいう閣議のような形で、議論をしていく、そういう方向に変えようということで、政策会議に変えていったわけで、これも県庁の組織の改革だというふうに思っております。そういう観点からこの政策会議というものをつくったということを是非ともご理解いただきたいと思います。

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4.地域経済の活性化について

(鈴木恒夫)
 神奈川県は,政令市、中核市、特例市が多く、さらには保健所設置市もあり、県民や事業者の多くは、市レベルの行政で大部分の仕事に決着がつく。
 さらに、地方分権は基礎的自治体である市町村の力を強化する方向が順次明らかになっており、県はそうした力のある市町村の区域を越えた広域的な、あるいは市町村の調整的な事務が必要となってくると考えている。県民への行政サービスは身近な基礎自治体、すなわち市町村に担っていただくのが一番であると考える。
 ところが松沢知事は、県の行政改革を断行するためという単一の目標を達成するため、行政センターをミニ県庁化するとの方針を述べられている。地方分権時代には市町村の権限や財源を充実する方向で、県で可能な取組みを進めるべきであり、行政センターの機能強化の問題は、市町村のあるべき姿との関わりの中で慎重に考えるべきと考える。
 そこで、行政改革は大切なテーマではあるが、行政センターをミニ県庁化するとどうして行政改革になるのか、また、そのことが市町村や事業者の利便性にどのようにつながるのか。さらに、そもそもこのような要望がどこから出されているのか、具体的にお答え願いたい

(知事答弁)
 次に、地区行政センターのあり方について、三点ほどお尋ねがございました。
 はじめに、行政センターのミニ県庁化と行政改革との関連についてのお尋ねでございます。
 今後の県行政は、市町村との連絡調整や広域的な課題への対応などの役割がより重要となる一方、市町村、県民の方々からも地域の個性や特性に応じた対応をするよう、多くの要望をいただいているところでございます。
 こうした変化や期待に対応して、総合出先機関としての地区行政センターも、「ミニ県庁」と言われるように、本庁の機能をいわば分権して、その権限を強化していく方向での見直しが必要であると認識しています。このような対応に合わせ、市町村への権限移譲をさらに進めるとことで、県と市町村の連携を深めてまいりたいと考えております。
 このような取り組みを行政改革との関連で申しますと、県の「行政システム改革の中期方針」の中で、行革全体の目標として「より簡素で効率的な県政の実現」とともに、「県民・市町村から期待される役割と責任に対する的確な対応」を掲げており、地区行政センターの見直しは、大きくはこうした目標に沿った取り組みであると考えております。
 次に、市町村や事業者の利便性にどのようにつながるかについてのお尋ねでございます。
 今日、地域の課題やニーズにはその地域での迅速な対応が求められていることから、権限や予算の充実により、地区行政センターを文字どおり「ミニ県庁」と言えるような組織として整えることによって、現地解決能力を高め、市町村や事業君の皆さんの利便性の向上につなげてまいりたいと考えております。
 また、ミニ県庁化の要望がどこから出されているのかとのお尋ねがございました。
 私は、以前から、県民に身近な地域に関わる課題は、できる限り地区行政センターに事務・権限、予算を委ねて対応する方が、効果的・効率的であると考えておりました。
 また、地域の首長さんからも、会議等の場を通じ、特に機能純化型地区行政センターの充実などについて、ご意見、ご要望をいただいているところでございます。

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5.知事の打ち出す施策について

(鈴木恒夫)
 地域経済の活性化のためには、産業振興に対する市町村や県民とその意識を共有することが必要であり、その上で県がイニシアチブを発揮しなくてはならない。特に、横浜・川崎という大都市を抱える本県の場合、県は政令2市との関連の中、県独自の役割を構築しなければならない。
 例えば、東京湾のスーパー中枢港湾の選定などについては、知事は何の影響力も行使することが出来なかった。政令市の行政権の範疇であるという制度上の問題はあるにせよ、県内経済に直接かかわる事でもあり、県としてのスタンスを明確にすべきである。
 日頃から政治家知事を標榜する松沢知事だからこそ、具体的事案をもってイニシアチブをとるべきであると考えるが、知事の見解を伺いたい。

(知事答弁)
 次に「地域経済の活性化」についてのお尋ねがありました。まず、県と政令2市との関連における県独自の役割やイニシアチブの発揮についてであります。
 ご案内の通り、横浜市、川崎市は、政令指定都市として県とほぼ同等の権限を有している訳でございますが、一方で、我が国経済を支える京浜臨海部が位置し、両市に立地する事業所の数や製造品の出荷額を見ましても、県全体の4割を越えるなど、本県経済の活性化を考える上で、大変重要であると考えております。こうしたことから、本県では特に、京浜臨海部の活性化に向けて、平成8年に専管組織を設け、以降、県を中心に、三団体が連携して「工業等制限法」の廃止などを国に働きかけ、実現してまいったほか、不動産取得税の軽減措置の導入など、県独自の施策も展開してきたところでございます。
 昨年6月には、私から両市長や地元経済団体等のトップに呼びかけ、「京浜臨海部再生会議」を設置し、国に対して「神奈川口構想」の提案を行うなどの取組も進めさせていただいております。また、東京湾の港湾問題につきまして、本県は、港湾に関する権限を有しておりませんが、私はこれまで、首都圏連合など、自治体の広域連携の議論の中で、各港湾が、その機能や役割を戦略的に分担していくことの必要性を強く訴え続けてきたところでございます。こうした中で、横浜港がスーパー中枢港湾の指定の運びとなったわけでありますが、今後、川崎港を含めた港湾の国際競争力が一段と強化されることは、羽田空港の再拡張・国際化とともに、京浜臨海部の活性化に大きな弾みをつけるものと期待しているところでございます。
 したがいまして、私といたしましては、こうした新たなポテンシャルもできる限り活かし、これからも、強力なパートナーである横浜市、川崎市と積極的な連携を図り、京浜臨海部をはじめとした、本県経済の活性化に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。

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6.インフラ整備等の具体的成果について

(鈴木恒夫)
 県の役割として、県土のバランスある発展、例えば、羽田空港の国際化による神奈川口やスーパー中枢港湾からのアクセスをいかに湘南・県央・県西地域にそのインセンティブを与えるかが肝要である。神奈川のそれぞれの地域がもつポテンシャルに基づいたダイナミックな発想が必要である。
 また、全体の景気が回復基調の中にあるが、足元を見るとまだまだ厳しさが残っているというのが実感であり、特に、既存中小企業では、既存産業から新成長産業への移行について、金融・ノウハウ・人材などの側面で容易に決断できない。「総合計画」や「産業活性化指針」には業態の変化需要に対する支援策は明記されていないが、今まで県民生活にとって多大な貢献をしてきた中小企業に対し、今後のあり方等についてどのような支援施策を打ち出していくのか、所見を伺いたい。

(知事答弁)
 次に、中小企業に対する支援についてのお尋ねがありました。
 近年、IT化の進展に伴う情報通信関連分野をはじめ、新製造技術関連、環境関連などの高付加価値型産業や、より質の高い生活を求めるニーズに対応した産業が成長してきており、既存の中小企業もこうした産業動向への対応が迫られているとごろであります。
 こうした状況の中で、本県産業を支えてきた中小企業に活力を取り戻すためには、中小企業自らが優れた技術力や経営力に基づく高い競争力を獲得し、経営革新に努めていくことが大切であると考えております。
 本県では、本年3月に策定した「かながわ産業活性化指針」において、「既存の産業の高度化促進」を一つの基本方向とし、経営革新・技術革新などを促進することにより、情報通信関連分野や環境関連など高付加価値製品や新技術の開発など、中小企業の事業の高度化を支援することとしております。
 具体的には、まず、経営革新への支援といたしましては、新商品の開発や新事業分野への進出、情報化への対応、人材の育成など、経営革新を行う意欲を持つ中小企業に対し、財団法人神奈川中小企業センターにおいて総合的な支援を行うとともに、新商品・新技術開発等に対する補助金、販路開拓等に対する支援などを進めております。
 また、技術の高度化と事業機会拡大への支援としましては、県産業技術総合研究所による技術相談、依頼試験、受託研究、技術アドバイザー派遣など、ものづくり高度化への支援を進めるとともに、県内中小企業が開発した優れた製品や企業が有する高度な加工技術力を紹介し、新たな販路開拓と受注の拡大を支援しております。さらに、金融支援といたしましては、経営革新に向けて新たな事業開を図ろうとする申小企業には、制度融資の「フロンティア資金」がご利用いただけますし、一方、景気回復の流れにスムーズに乗り切れず売上高が低迷している中小企業に対しては、この7月から3か月間の限定で、融資対象を拡大し、利率を下げた「業績目視バックアップ融資」を実施しており、多様な資金ニーズに対応しているところでございます。
 以上のように、本県の産業を支える中小企業の皆様の取組を実り多いものとするため、経営革新に向けたさまざまな支援や機動的な金融支援を行うなど、社会・経済の動きを踏まえた適切な施策を行ってまいりたいと考えております。

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7.教育行政の前期・後期実施計画について

(鈴木恒夫)
 知事は、「提案説明」の中で、「神奈川らしい産業集積促進方策」について触れ、「他県を凌ぐ施策を迅速かつ効果的に展開する。」と述べられているが、一方で、取り組む事業としては、先端産業化国際支援、東アジア地域との交流、外資系企業の誘致について述べているにとどまり、具体的施策が見えない。はたして「数値目標」を達成できるのか不安である。
 そのような中、先の6月20日から、知事はバイオ関係企業誘致のためメリーランド州へプレゼンテーションに訪問したとのことである。知事は今回の訪問について「かなりの成果と手応えがあった」としているが、実際には、海外あるいは国内企業の誘致、さらには既存企業の海外・県外転出をくい止めるだけのインフラ整備・税制面での優遇施策が「産業促進推進会議」で基本方向が明らかになったに過ぎない。
 知事の言う「他県を凌ぐ施策を迅速かつ効果的に展開する。」とはどのようなことなのか。また、今回のメリーランド訪問での具体的成果は何なのか、また、県民の納得できる結果を出す自信があるのか、知事の見解を伺いたい。

(知事答弁)
 次に、「産業集積促進方策の展開」と「メリーランド州訪問の成果」についてのお尋ねがございました。
 今年三月に策定した「かながわ産業活性化指針」の中に位置付けております、「産業集積の促進」の具体的取組として「かながわらしい産業集積促進方策」を検討してまいりました。 今回、産業集積促進方策を策定するに当たりましては、三つの基本的な視点に基づきまして、検討を進めているところであります。
 第一には、中小企業を含めた県内経済の活性化と雇用の創出を図ることを常に意識していくことでございます。
 第二には、神奈川の優れた潜在力を前提として、そのメリットの最大化に向けて、民間活力の活用や産学公の連携を促進していくことでございます。
 第三には、県内各地の多様な産業の集積や地域特性を踏まえた市町村の産業ビジョンとの整合を十分図ることでございます。
 検討の中からは、企業の県内投資や雇用創出に対する助成金制度や、税の新たな軽減策などの経済的インセンティブのほか、企業立地のための適地開発の仕組みづくりや、ボトルネックの解消などの産業集積に着目した重点的なインフラ整備の促進、あるいは、誘致体制の整備強化など、様々な施策案が出ております。
 また、このような取組は、助成金をとってみましても、既に半数以上の道府県において実施している状況となっております。本県といたしましては、産業集積促進方策全体として、他県の内容に比べて、本県の内容が、企業にとりまして、より魅力を感じる施策としてまいりたいと考えているところでございます。
 今後、議会での御議論と併せまして、現在実施しております、市町村及び企業等へのアンケートやヒアリングなどを踏まえまして、「かながわらしい産業集積促進方策」の具体的な施策化を早急に進めてまいりたいと考えております。
 このような中、先月、私はメリーランド州を訪問し、バイオテクノロジー関連企業等を対象に本県への企業誘致に向けたトップセールスを行ってまいりました。
 具体的には、「日本・神奈川とのビジネス・コネクション」と題するビジネスセミナーを開催し、バイオ関連企業家など約40名の参加をいただきました。
 私の方からは、「神奈川県のポテンシャル」に関して、神奈川のアクセスの良さ、優れた研究者や技術者などの人材の宝庫であること、最先端の研究所、企業が集積していることなど、本県の優位性をアピールしてまいりました。
 参加者からは、対日進出を考える際の有力な候補として神奈川を考えるといった声があるなど、総じて御好評をいただきましたが、こういった取組は、実施したからすぐ成果が現れるといったものではありません。
 今後、参加企業等への積極的な情報提供などのフォローアップや、同地域へのセールスに継続的に取り組み、着実に成果を上げてまいりたいと考えております。
 私は、こうした取組が神奈川県とメリーランド州との双方に確かな利益をもたらすものであり、両地域間の友好交流が経済交流を軸にした「交流の新たなステージ」を開くものと認識しておりますので、今後も積極的に進めてまいりたいと考えております。

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8.入学者選抜制度について

(鈴木恒夫)
 現在、本県においては、「多様で柔軟な高校教育の展開」「地域や社会に開かれた高校づくり」「活力ある教育活動を展開するための規模及び配置の適正化」を基本方針として、県立高校改革推進計画に取り組んでいる。
 前期実施計画は、平成17年度開校の3校をもって、14組(28校)の高校で再編統合し、19校の新タイプ校を設置することとなる。一定の評価はあるものの、神奈川の高校教育をどのような方向を目指しているのか、ビジョン不足との声も聞かれる。
 また、前期実施計画においても、普通科専門コース、フレキシブルスクール、専門学科などにおいては、当初の予想に反して低志願率という実態があり、さらに、養護学校の不足、学区の撤廃、中高一貫校の是非、選抜制度の不安定など、現在のさまざまな状況を勘案するとき、「前期実施計画」における成果達成を様々な角度から精査する必要がある。
 教育委員会は、この6月議会において後期実施計画のスケジュール骨子案を発表、そして9月議会で実施計画案を公表して、11月には実施計画を策定する予定とのことだが、その前にまず、「前期実施計画」の成果達成を精査することが先と考える。その精査内容を踏まえた上で、新しい角度から「後期実施計画」に取り組むべきと考えるが、知事並びに教育長の見解を伺いたい。

(知事答弁)
 教育関係についてお答えをいたします。 最初に、県立高校改革推進計画についてでございますが、県立高校改革につきましては、多様で柔軟な高校教育の展開や、学校規模及び配置の適正化などを基本方向として取り組んでおりまして、前期実施計画では、お話にございましたように14組の再編統合と19校の新しいタイプの高校の設置に取り組んでいるところでございます。
 現在、後期実施計画の策定作業を進めておりますが、ご指摘がありました前期実施計画の成果の検証などを含め、様々な角度から検討を行っているところでございます。 先ず、成果の検証でございますが、平成15年度に新しいタイプの高校の新入生や保護者を対象に実施したアンケートによりますと、7割から8割』が教育活動等に満足をしておりますし、学校からも、目的意識や学習意欲の高い生徒が入学しているとの報告を受けているところでございます。
 また、高校改革による多様な教育を提供する中で、中途退学者が減少していることや、再編統合による学校運営費の削減、さらには学校評議員の設置などにより開かれた学校づくりが進み、教職員の意識改革につながっていることも前期実施計画の成果と考えております。
 一方、IT化や国際化が一層進み、高度な情報活用能力や外国語コミュニケーション能力の育成が、従前にも増して求められており、また学ぶ意欲や学力の低下への対応も大きな課題となっております。
 さらに、施設整備面でも厳しい財政状況の中で、現有施設の有効活用などによる経費節減の工夫を図ることも必要と考えております。 後期実施計画につきましては、このような前期実施計画の検証や社会状況の変化による新たな課題等を踏まえ、検討してまいりましたが、骨子案がほぼ固まりましたので、本定例会中にご報告させていただきたいと考えております。なお、後期では11組の再編統合と18校の新しいタイプの高校を設置してまいりたいと考えているところであります。
 今後、県民の皆様にも公表し、ご意見をいただきながら、後期実施計画を策定してまいりたいと考えているところでございます。

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9.失われた選抜の信頼感について

(鈴木恒夫)
 入学者選抜制度については、様々な変遷を経て平成15年度から現在の制度となっている。しかし、社会状況によっては変更を行う必要は理解するが、度重なる変更は信頼性を損ねるものと考える。
 このたび、県教育委員会は中学校に一定の基準を示し、説明会を行ったと聞いたが、その内容は従来の絶対評価を若干改善した程度に止まっている。さらに、従来のアチーブメントテストの頃の選抜が優れているとの声も多く聞く。
 この程度の改正では「失われた選抜の信頼感」を回復することは困難であると思う。失われた選抜の信頼感を回復する自信はあるのか、教育長の所見を伺いたい。
 また、横浜市の教育委員会では県教委がCの下に×を設け、配点を「0点」としたことに「×やゼロは子供の評価になじまない、教育上の配慮が必要」との見解を示しているが、横浜市と統一基準を話し合う考えはあるのか、伺いたい。 

(知事答弁)
 次に、入学者選抜制度についてのお尋ねでございます。 県教育委員会では、公立高校で学ぶことを希望する子どもたちが、一人ひとりの個性に応じ、自らの進路希望に基づいて特色に応じた学校選択が可能となるよう、入学者選抜の改善に努めてまいりました。
 しかしながら、平成16年度の入学者選抜の実施後、いわゆる絶対評価の評定に学校間、市町村間に格差があり、入学者選抜の際の公平性が確保されていない、精度が高まらないうちに選抜の資料にしたなど、県民の方々から様々なご指摘をいただきました。
 県教育委員会といたしましては、こうした事態を重く受け止め、入学者選抜に対する信頼を築き上げていくために、中学校における絶対評価の精度を高めていくとともに、入学者選抜自体についても実施上の改善を図っていかなければならないと考えております。
 すでに絶対評価の精度を高めるために、各中学校の評定分布の検証や、その結果に基づく指導を実施しておりますが、議員のお話にもありました、観点別学習状況の評価から5段階の評定に至る総括方法のモデルを、1学期の評定に間に合うように学校に提示したところでございます。
 なお、お尋ねにございました横浜市教育委員会の基準でございますが、県が示しました数値の4からOの5段階を5から1に置き換えたものでございまして、5段階評定への総括方法は、県の考え方と相違はないものでございます。
 また、今後は観点別評価そのものの妥当性を高めるために、全ての教科について評価のモデルを作成し早急に学校へ提示するとともに、学校単位の評定分布を公表し、生徒や保護者へ情報提供するとともに、学校が評定に対する説明責任を果たすよう求めてまいりたいと考えております。
 さらに、入学者選抜そのものについても、前期選抜の募集人員の割合の弾力化や、各高校の選考基準の見直し、調査書における観点別評価の活用等、現在の入試選抜の趣旨がより一層徹底されるための改善を図ってまいります。
 こうした中学校側、高校側、双方の改善の取組を徹底して行い、中学生やその保護者、県民の方々から信頼される入学者選抜の実施に向けて、全力をあげて取り組んでまいりたいと考えております。

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10.今後の教育委員会について

(鈴木恒夫)
 前期の高校選抜は絶対評価による調査書評点のみでなく、総合的選考ということで、面接結果や学校内外の活動実績など調査書の記載事項を選抜の資料として活用しながら選考を行っている。
 しかし、選考基準の内容が学校ごとに非常に多岐にわたり、詳細すぎるという指摘がある。一例を言えば、「TOEFL」「TOEIC」などの試験を受験しただけで6点のポイント加算を行っている高校もある。
 本来、公立高校の入学者選抜は、中学校の授業や教育活動の範囲を対象に行われるべきであり、特に、取得に際し、経費的な面や相当な努力が必要であるなど、生徒に過重な負担をかけるような内容の項目は不適当である。各高校が特色に応じて独自に選考基準を設定すること自体は理解するが、その項目内容については、県として一定の妥当性を示す必要があると考える。今後の教育委員会の取組みについて教育長に伺いたい。

(知事答弁)
○ 最後に、入学者選抜における選考基準についてのお尋ねでございます。
○ 本県の選抜制度におきましては、調査書の評点や学力検査の結果など、いわゆる数値のみでなく、生徒一人ひとりの特性や長所を活かした選抜となるよう、調査書の記載事項などを 活用した総合的選考を実施しております。
○ この総合的選考においては、面接や作文、実技検査などの結果とともに、文化・スポーツ 活動、ボランティア活動、各種の技能審査の成果など、生徒の中学校内外での自主的、積極的な活動を評価することとしており、
○ 各高校では、選考の透明性、客観性を持たせるため、中学校内外での活動成果をどのように選考に反映し、どのような重みをもって評価するかといったことについて、あらかじめこれを選考基準の中で公表することとしております。
○ しかしながら、議員ご指摘のとおり、中学生に過度な努力を求めるような選考基準や、過度な費用の負担を伴うもの、資格等をあまりに詳細にポイント化するような選考基準につきましては、中学生としての努力を評価するものとして、必ずしもふさわしいものとは言えないと考えております。
○ 例えば、TOEFL、TOEICなど、もともと多くの中学生が受験することを想定していないものを、選考基準とすることにつきましては、改善する必要があると考えております。
○ 今後、平成17年度入学者選抜に向けた各高等学校の選考基準の設定にあたりましては、議員ご指摘の趣旨を踏まえ、選考基準の記載内容の考え方を整理し、中学生にふさわしいと 思われる活動を適切に評価できるよう、各学校を指導してまいりたいと考えております。
○ 以上でございます。

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